東京23区の埼玉県と接する足立区にある足立区立第11中学校(千葉俊治校長)ここで、リクルートの
藤原和博さん)と社会科の杉浦元一教諭が中学校3年生に生きた社会科を立体的に学んでもらおうという
試みからこの授業がはじまった。 題して「よのなか科」今回2回目になる授業でゲストとして招かれた訳
ですが、話を聞いた当初はバルーン屋さんがいったい何を話せばいいのだろうか?とまどいさえありました。
このページは2001年5月に作ったページです。

                                   

  
まず最初に杉浦先生が身近にあるゴムで作られた製品をあげてみましょうと生徒全員にゴム製品を1個ずつを言わせた。(意外にゴム風船という言葉が誰からの口からも出てこない)藤原氏が100ショップで買ってきた1箱の輪ゴムを出し、この中にいったい何個に輪ゴムが入っているか、一個あたりいくらだろうかと生徒達に考えさせた。 一般向けのゴム製品、特に輪ゴムなどは量産することもあり非常に安い商品になってしまう。
    写真提供 小学館「総合教育技術」編集部


     ゴムの木
写真提供:群馬大学 青木繁伸先生

熱帯雨林伐採について「ある国の選択」と題しての模擬大統領選
2人の大統領候補を演じる藤原氏と藤田氏。両者の演説を聞き、生徒はどちらの候補者の1票入れるか?

1人は革新派(経済優先) 国の経済を新しく立て直そうとする立候補者(藤原氏)
 ゴムに頼るなんて、もう古い!皆さんもゴムがいかに安い商品か、知っているでしょう?ゴムなんていくら
 生産しても、儲からないのです。
 こんな経済を早く改善するために、私は外国の近代産業を我が国にたくさん誘致します。これで皆さんも働く
 場所が増えて、豊かな生活ができますよ!!

1人は旧守派(環境優先派)今まで通りに国を運営していこうとする立候補者(藤田氏)
 ゴムは我が国が築いてきた重要な産業です。しかもゴムは生活には欠かせないので、売れなくなることはあり
 ません。近年では、世界中で地球環境の保護が叫ばれています。ゴムは樹液を採取するだけなので、熱帯雨林
 伐採することはありません。こんな地球にやさしいゴム産業は、我が国の誇りなのです!!

生徒達が班に別れ検討会を始める、5分後に各班で話し合った結果をまとめ選ぶ候補を発表した。
結果は4人が革新派(経済優先)の候補者、29名が旧守派(環境優先)の候補者となった。
この結果どう受け止めれば良いのだろうか、「環境が大事」という社会的な宣伝文句をウケウリしているのだろ
うか、それとも実際に考えてそう思っているのだろうか。



ゴムをめぐる新しい産業・・・・・エアロテックの取組みを生徒に紹介
       大曽根がゴム風船に付けた「付加価値」とは。

大曽根:ゴムの産業は確かに量産品が多く、価格的には安い物が多いですね。
    皆さん、今ここに私が持っているゴム風船、いくらだったら買いますか?
    (16インチのラテックバルーンを生徒に見せる)
生徒達:100円くらい。
大曽根:そうですね、では浮く風船、ヘリウムガスを入れて売ったら?
生徒達:200円くらい、300円かな。(ガスを入れても倍くらい感覚でした)
大曽根:まぁ、そのくらいですね、でも私はこの1個の風船を5万円でも10万円
    でも売ることができると言ったらどう思います。
            ・・・・・・決して危ない仕事はしてませんからね!!
大曽根:たとえば、空気を入れた風船が空中に止まったままになったらおもしろい
    と思うでしょ!
生徒達:え〜そんな不思議なことがことできるんですか!??
    (もうこの段階で生徒達の頭の中は?マークがぐるぐる回っていました)
大曽根:今日は風船を膨らませる機械を忘れて来てしまして、誰かに膨らませる事
    を手伝ってもらいたいのです。
    一番前に座っている君と一番後ろの体の大きい子、そーです、君です。
    ちょっと前に出てきてくれますか
    これから風船を膨らませる競争をします。どっちが早く膨らむか!
生徒A,B え〜〜まじかよ!!
大曽根:さぁ〜スタート

    (生徒全員の笑いの中、真っ赤な顔をして膨らましてくれました)
    ありがとう、けっこうきつかったね。じゃ〜席に戻ってください。
大曽根:では、これを見てください。 
生徒達:わぁ〜本当だ!!   すげ〜〜!!   なんで〜〜!!
大曽根:どうして空中にバルーンが止まっているかわかりますか。
    今、私はある扇風機を使ってその送られる風の上にバルーンを乗せただけ
    です。風船が空中に止まるなんて誰も想像もつかないことをこの扇風機を
    使って1つのアイデアとして考えたのです。すなわち、扇風機を使ってバ
    ルーンに付加価値をつけたことよってこのアイデアは5万円でも10万円
    でも買ってくれる人がいるのです。世の中にたくさんあるものは、量産す
    る事により価格が安くなってしまいます。しかし、世界にひとつしかない
    ものは高く売れるのです。アイデアを売っているということですね。
    
    今日は熱帯雨林伐採の話から、ゴム風船を使って私の様な仕事をしている
    人もいることをわかってもらいました。日本バルーン協会という団体があ
    りそこで出しているBalloon Story というリーフレットがここにあります。
    熱帯雨林の事や飛んだ風船がどこまで飛んで行くのかなどおもしろいこと
    がたくさん載ってますので皆さんあとで杉浦先生からもらってください。
    ありがとうございました。


   今日は風船を膨らませる機械を忘れて来てしました

     私が手を放すとバルーンは空中に静止

     写真提供 小学館「総合教育技術」編集部




そして、その後この藤原さんは杉並区立和田中学校の校長先生に就任『よのかな』科は世界で一番受けたい授業として2002年に出版されました。
最近、こんなタイトルの番組がテレビでやってますね!ここから取ったのかな〜。     2006年 2月 28日:追加文